(9日終値)
ドル・円相場:1ドル=109.72円(前営業日比▲0.53円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=129.74円(▲0.53円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1825ドル(△0.0009ドル)
ダウ工業株30種平均:34879.38ドル(▲151.69ドル)
ナスダック総合株価指数:15248.25(▲38.39)
10年物米国債利回り:1.30%(▲0.04%)
WTI原油先物10月限:1バレル=68.14ドル(▲1.16ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1800.0ドル(△6.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続落。
米長期金利の低下などをながめ円買い・ドル売りが先行。
この日実施された米30年債入札が「堅調」だったことを受けて、米長期金利の指標である米10年債利回りが1.28%台まで低下幅を拡大すると、全般ドル売りが活発化した。
2時過ぎに一時109.62円と日通し安値を更新した。
一目均衡表の雲(上限:110.19円、下限:109.92円)を下抜けたことでテクニカル的な売りも出やすかった。
ただ、8月米雇用統計が発表された3日の安値109.59円が目先サポートとして働くと下げ渋った。
米長期金利が低下幅を縮めたことも相場を下支えした。
なお、米労働省が発表した前週分の米新規失業保険申請件数は31.0万件と予想の33.5万件より強い内容となり、昨年の新型コロナウイルス感染拡大以降の最少を更新。米雇用情勢の改善が示されたものの、為替相場への影響は限定的だった。
・ユーロドルは4日ぶりに小反発。欧州中央銀行(ECB)がこの日の理事会で政策金利を市場予想通り0.00%に据え置き、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の買い入れ規模縮小を発表すると全般ユーロ買いが先行。21時過ぎに一時1.1841ドルと日通し高値を付けた。
ただ、ラガルドECB総裁が理事会後の会見で「PEPP購入ペース減速はテーパリングではなく、微調整」「ECBは次の動きについて議論していない」との考えを示すと、一転ユーロ売りが優勢に。23時30分過ぎに一時1.1805ドルと日通し安値を更新した。
もっとも、前日の安値1.1802ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。米長期金利の低下に伴うドル売りも出て、1.1840ドル付近まで値を戻している。
・ユーロ円は続落。ECB理事会後に一時130.15円付近まで強含む場面もあったが、ラガルドECB総裁が今回の決定について「テーパリングではない」と強調すると一転下落した。23時30分過ぎに一時129.67円と日通し安値を更新した。市場では「ECBは慎重姿勢を維持した」と受け止められた。
・米ドルカナダドルは軟調だった。原油先物価格の下落を受けて産油国通貨とされるカナダドルには売りが強まる場面もあったが、マックレム・カナダ銀行(BOC)総裁が「量的緩和(QE)による景気刺激策を継続する必要がない時期に近づいている」との考えを示すとカナダドルを買う動きが広がった。2時過ぎに一時1.2623カナダドルまで値を下げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落。
前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容となり、米雇用情勢の改善が示されると買いが先行し、しばらくは小高い水準で推移した。
ただ、新型コロナ変異株の感染拡大による景気鈍化が懸念される中、積極的に上値を追う展開にはならなかった。
NY午後には利食い売りなどが優勢となり、下げに転じた。
バイデン米政権が薬価引き下げの包括案を発表し、製薬株が売られたことも指数の押し下げ要因。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。しばらくはもみ合いの展開が続いていたが、好調な米30年債入札をきっかけに債券買いが広がった。
・原油先物相場は反落。NY序盤に68ドル割れまで売られたが、米エネルギー省(EIA)の週間統計発表に向けて69ドル後半まで大きく反発。しかしながら、原油在庫が152.8万バレル減と前回から大きく取り崩し幅を縮めたことが分かると伸び悩む展開に。その後、中国が戦略原油備蓄を放出したことに対する影響が懸念され、一時67ドル半ばまで急落した。
・金先物相場は3日ぶりに反発。NY午前に為替相場でドルが対ユーロで強含む場面では、ドル建ての金先物も上値を圧迫されて再び1790ドルを割り込んだ。ただその後、30年債入札をきっかけに米長期金利が低下幅を広げると、金利のつかない金の価値が相対的に高まり1800ドル台まで持ち直した。
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