USDJPY  H 4
2021.5.10   USDJPY H4


EURUSD   日足
2021.5.10   EURUSD 日足


2021-05-08 03:32
見通し
週間為替展望(ドル/ユーロ)−ドル円、財政赤字や米債入札が重しか
Fx-Wave
◆ドル円は、米4月財政赤字や過去最大規模の四半期定例入札への警戒感から伸び悩むか
◆米4月消費者物価指数や小売売上高、5月ミシガン大学消費者信頼感指数にも注目
◆ユーロドルは、ユーロ圏3月鉱工業生産や独5月ZEW景況指数に要注目
(為替情報部・山下政比呂)

予想レンジ
ドル円 106.00-110.00円
ユーロドル 1.1800-1.2200ドル

5月10日週の展望
 ドル円は伸び悩む展開か。2021会計年度(20年10月〜21年9月)の上半期(20年10月〜21年3月)はすでに過去最大規模を記録している。4月分の財政赤字への警戒感から伸び悩む展開が予想される。トランプ政権下での2020会計年度(19年10月〜20年9月)の財政赤字は3兆1319億ドルで過去最大を記録しており、2020年4月の財政赤字は7380億ドルだった。

 12日発表の米4月財政赤字がバイデン政権の米国救済計画(America Rescue Plan)などで拡大していた場合、ドルの上値を抑える要因となる。
 ドル円の売り材料として、米国の「双子の赤字(財政赤字・経常赤字)」が過去最大規模に拡大しつつあること、米連邦準備理事会(FRB)による2023年末までのゼロ金利政策継続観測、米中対立激化を受けた極東の地政学リスク回避の円買い、日本の緊急事態宣言を受けた景気悪化懸念によるリスク回避の円買い、などが挙げられる。

 ドル円の買い材料は、米国のワクチン接種進捗や大規模財政出動を受けた景気回復基調、景気回復を受けた米国債利回りの上昇基調、日本銀行の量的金融緩和策の継続、などである。

 12日発表の米4月消費者物価指数は前月比+0.2%、前年比+3.6%、コア消費者物価指数は前月比+0.3%、前年比+2.3%と「ベース効果」による上昇が見込まれている。イエレン財務長官は「政府が支出を拡大し経済がそれに応じる形で成長を加速させる中で、金利は上昇する可能性が高い」との見解を示した。インフレ率の上昇を受けて過去最大規模の中長期債の四半期定例入札(合計1260億ドル)に要注目となる。米財務省は、連邦債務の法定上限規定の不適用期限が7月末に切れた後、議会が適用停止ないし上限引き上げをできなかった場合は、難しい状況に直面する可能性があると指摘している。

 14日発表の米4月小売売上高は前月比+0.2%と予想されており、3月の前月比+9.8%からの減速が見込まれている。米5月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値では、1年先と5年先の期待インフレ率がどの程度上昇しているのかに要注目となる。

 ユーロドルは伸び悩む展開か。欧州中央銀行(ECB)が債券利回り上昇を抑制するために、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の下での債券購入を加速させていること、ラガルドECB総裁がユーロ高に懸念を表明していることなどから、ユーロは上値が重い展開が予想される。ユーロ圏3月鉱工業生産や独5月ZEW景況指数に要注目。

5月3日週の回顧
 ドル円は109.70円から108.34円まで下落した。低調な米4月米ISM製造業・非製造業景気指数や米4月非農業部門雇用者数が前月比+26.6万人だったことで下落した。
 ユーロドルは、デギンドスECB副総裁が「新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、経済が加速すれば、緊急緩和措置の段階的解除に着手できる」と発言し、カザークス・ラトビア中銀総裁が「6月に債券買い入れの減速を決定することは可能」と発言したこと、米4月非農業部門雇用者数が前月比+26.6万人だったことから、1.1986ドルから1.2160ドル台まで上昇した。ユーロ円は、132.11円から130.99円まで下落後、132円前半まで反発した。(了)



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